【記事公開日】2016/08/01
【最終更新日】2024/07/24
30番手リネンと60番手リネンの違い
30番手ベラルーシリネンと60番手京はんなリネンを比較してみた
サッパリ清涼感で人気の素材、リネン。
当店にもそんなリネンを100%使用したカバーとして、『30ベラルーシリネン』と『京はんなリネン(60フランスリネン)』があります。
↓↓↓
この2つ、どちらもリネン100%ですが印象はけっこう違います。
スタッフも
「あ、こんなに違うもんなんだ」
という感じでした。産地は違えど同じリネン100%なのに。
その理由として「加工が違う」などの理由もありますが、まず根本的に違うのが『番手(ばんて)』です。
番手とは糸の太さを表す単位のことで、数字が大きい(高い)ほど細い糸になります。
※太いものを太番手(ふとばんて)細いものを細番手(ほそばんて)と言ったりもします。
そして、それぞれ
- 30ベラルーシリネン ⇒ 30番手
- 京はんなリネン ⇒ 60番手
となります。
つまり『60番手の京はんなリネンは30番手のベラルーシリネンより細い糸で作られている』となります。
そして、番手の違い(糸の太さ)でなにが違ってくるのかというと主に、
- 柔らかさや風合い
- 重さ
です。
ということで、今回は実際にどれくらい違うのか、チェックしてみたいと思います!
【関連情報】(その1)30ベラルーシリネン麻100%枕カバーを7ヶ月使って洗濯112回してみた結果
30ベラルーシリネン枕カバーを約7ヶ月間スタッフが実際に使用し、新品の状態とを比較したレポートです。
違いその1. 『柔らかさや風合い』が違う
まず、1つ目。
番手が違うと『柔らかさや風合い』が違ってきますが、なぜなら、
- 番手の数値が小さい(低い) ⇒ 糸が太い ⇒ 生地もしっかりしてくる
- 番手の数値が大きい(高い) ⇒ 糸が細い ⇒ 生地は柔らかくしなやかになってくる
からです。また、『打ち込み本数※』は、
- 30ベラルーシリネン ⇒ 88本
- 京はんなリネン ⇒ 110本
です。
糸が細い京はんなリネンは生地密度も低くなり、結果的に柔らかくなります。
※打ち込み本数とは、1インチ(2.54cm)あたりのタテ糸ヨコ糸の合計本数のこと。
30ベラルーシリネンの生地表面です。京はんなリネンに比べ隙間が少なく、密度が高いのがわかります。
30ベラルーシより隙間が多いですね。つまり打ち込み本数は同程度なのに糸が細いのでその分隙間が空くというわけです。
30ベラルーシリネン
では、実際にスタッフが感じた肌触りの比較です。
30ベラルーシはリネン麻らしいハリとシャリ感があり、サッパリした肌触りをしています。
最初こそハリがありますがチクチクするようなことはありません。
洗ったり使っていくうちにどんどん柔らかくなってきます。
しっかり丈夫なので、体との摩擦が多く、より丈夫さが求められる『敷き布団カバーやボックスシーツ』などにオススメですね!
京はんなリネン(60フランスリネン)
30ベラルーシに比べ、触ると柔らかいのがわかります。
そもそも京はんなリネンは、『リネン100%だけど肌触りが柔らか』がコンセプトの一つ。
そのため糸を細くし、より柔らかくしなやかな肌触りにしています。
とは言え、そこはリネン100%。
ほんのりとしたシャリ感もあり、それが心地よいです。
表面がクタクタっとしていますが、これは生地を風合い豊かにする『C.C加工』によるもの。
これもまた柔らかさに一役かっています。詳しくは商品ページをご覧下さい。)
手の指が透けて見えてますが、生地の目が粗いので通気性も良いです。
使ってみると30ベラルーシに比べ、ス~っと風が通るような涼しさを感じます。
違いその2. 『重さ』が違う
そして、2つ目。
番手が違うと『重さ』も違ってきます。
特に麻は繊維の中でも重く、番手によって重さに大きな差が出てきます。
ということで、掛け布団カバーのシングルロングサイズ(SL)の重さをそれぞれ計ってみました。イメージしやすいよう身近な素材の『綿100%(エスエルピーカラー)』も混ぜてます。
名前 | 重さ(掛け布団カバーSL) |
---|---|
30ベラルーシリネン | 約1,260g |
京はんなリネン | 約850g |
綿100%エスエルピーカラー | 約810g |
30ベラルーシリネン
重いです。。。
なので、『掛け布団カバー』としては、あまりオススメできません…。理由は、重いと体への圧迫や寝返りが打ちにくくなるからです…。
(寝返りは睡眠中のストレッチと言われ、必要な動作とされています。)
一方、体の下に敷く『敷き布団カバーやボックスシーツ』などは全く問題なし!
むしろ、丈夫さや接触冷感などがあり”敷き系”はオススメです。
京はんなリネン(60フランスリネン)
30ベラルーシリネンに比べ、かなり軽いですね!綿100%カバーと同じくらいです。
これは糸が細く生地も薄くなり物理的に軽くなったからです。
軽いので、体の上に掛ける『掛け布団カバー』としてオススメです。
30ベラルーシが重かったぶん、同じリネン100%でこの軽さは正に待ってましたな存在です。
また、洗濯などで干す時も軽いほうがラクです。
まとめ
ということで、今回はリネン100%のカバー2種類を、ちょっと専門的な『番手』という視点から比較してみました(^^)
まとめてみると、こんな感じです。
30ベラルーシリネン
- べラルーシ産リネン100%・30番手
- 麻らしいハリのある肌触り
- 掛けカバー(SL)で約1,260gと重い
- しっかり丈夫なので摩擦が起きやすい『敷き布団カバーやボックスシーツ』にオススメ!
京はんなリネン
- フランスリネン産100%・60番手
- 麻らしさがありつつ肌触り柔らか
- 通気性がよくス~と風が通るような涼しさあり
- 掛けカバー(SL)で約850gと軽い
- 軽くてやや薄いから『掛け布団カバー』にオススメ!
ポイントは、番手が高いから良い悪いではなく、シーンに応じた使い分けです。
30も60もそれぞれにメリット・デメリットがあるので、それを理解した上での使い分けがオススメですね。
では!
※今回の比較はあくまで当店販売の30ベラルーシリネンと京はんなリネンについての比較であり、30番手と60番手のリネン全てでこのような結果になるわけではありません。
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